近況(1)
2010.10.11 Monday 09:30
キャニオン
私はCEATECを2004年から見てますが、ホーム&パーソナルゾーンは年々下らなくなってきているというか、展示内容そのものの勢いがなくなってきているというか、そんな印象を抱いています。実際、パネルに組み込んでいる技術自体は2006年からほとんど変わってませんし、革新的な技術が生まれているわけでもなく、ひたすら作りすぎた薄型パネルをどう使うかに徹してきているような気がするので。しかも、作ることに関しては韓国や台湾メーカーに負けてますし..。どうするの、何したいの?というのが今ひとつ見えないというのがそのまま展示になっている感じです。
電子部品に関しては、周辺新興国の猛烈な追い上げをくらってますが、まだまだ先端品は日本に分があるということで、部品屋の方が展示がしっかりしている印象でした。まぁ、毎年鳴り物入りの村田製作所は、今年は勢いがありませんでしたが..(笑)回生ブレーキや無線デバイスって、ムラタセイサク君に組み込んでも解りにくいですよね..。
でも、センサデバイス、受光素子はまだまだ行けるのかなとは思いました。
今回は部署が違うとのことでモノこそ展示してはいませんでしたが、某有名真空放電管メーカーのMEMS加工で作ったμPMTは技術的には面白いと思います。ただ、しばらくしたら真似されるだろうし、会社の存在意義を問われかねない、「パンドラの箱を開けてしまった」感は否めません。あのPMT(Photo Multiplier Tube, 光電子増倍管)、人手で作ってたから参入障壁があったわけで、装置があれば出来るMEMSに置き換えてしまうとコストこそ下がりますが、加工技術という参入障壁はなくなってしまうんですね。。
完成デバイスとしては、従来は装置体積の都合で感度の低いフォトダイオードを使っていたものを置き換え出来るという点で可能性が広がって面白い気もしますが、一介の技術屋としては非常に複雑な心境でしか見られない分野になってきたのは残念なことです。
先行者利益で逃げ切れるか、それが問われているような気がしてなりません。
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